2014年診療報酬改定について③
回復期リハビリテーション病棟入院料1に新たな施設基準が加わるというのも。
医師の配置要件を専任から専従へ、「リハビリ科医師」の定義を「リハ学会の専門医もしくは認定医等」などがリハビリ関連9団体の要望書に基づくものとして上げられていました。
「リハ科医師あるいはリハ学会のための要望か?」と思えるような内容に思えます。今や、施設基準はアウトカム評価の方向に進んでおり、その流れから逆行するような要望であり、実現してはいけない内容だと強く思います。
回復期リハビリテーション病棟入院料1に新たな施設基準が加わるというのも。
医師の配置要件を専任から専従へ、「リハビリ科医師」の定義を「リハ学会の専門医もしくは認定医等」などがリハビリ関連9団体の要望書に基づくものとして上げられていました。
「リハ科医師あるいはリハ学会のための要望か?」と思えるような内容に思えます。今や、施設基準はアウトカム評価の方向に進んでおり、その流れから逆行するような要望であり、実現してはいけない内容だと強く思います。
4泊5日以内の手術・検査を平均在院日数の計算対象から除外する対象が7対1だけでなく、10対1にも及ぶとありました。
これをすることで、平均0.6日平均在院日数が伸びるというデータがあります。また、90日超の特定除外患者を平均在院日数の計算から除外できなくすることで、7対1で平均1.5日、10対1で3.2日平均在院日数が伸びるというデータもあります。
そうなると、7対1で実質2.1日の平均在院日数短縮、10対1で実質3.8日の平均在院日数短縮ということになります。
7対1はやむを得ないものの、4泊5日以内の手術・検査を平均在院日数計算対象から除外するのを10対1にまで拡大するのはちょっと酷ではないか思います。実現性については疑問です。
日経ヘルスケア11月号に診療報酬改定予測についての記事が掲載されていました。いくつか新たな情報がありましたので、何回かに分けて触れたいと思います。
まず、急性期リハビリについてですが、2つの案が示されていました。ひとつは、7対1と10対1にリハビリ職員の配置が要件化されるというもの。もうひとつが、「急性期病棟リハビリテーション充実加算」なるもの。
加算の方は、専従のリハビリ医師配置が要件とされていることとか、65歳以上が70%以上であることなど、急性期病床に合致していない要件が示されており、リハビリ関連9団体からの要望書に基づくものとあることから、実現性は極めて薄いように思われます。
早期リハビリテーション加算が既にあることから、どちらかというと7対1・10対1入院基本料の要件にリハビリ職員の配置が要件化される方向になるのではないかと予測します。
2025年モデルが発表されて以来、その行く末を予想していますが、その姿はかなり見えにくい部分があります。
例えば、7対1=高度急性期、10対1=急性期だとすると、いつの時点かで、7対1と10対1の平均在院日数を逆転させなければなりません。少し前に、厚労省保健局医療課の課長補佐に会う機会があり、その辺のところを聞いてみましたが、明快な解答はありませんでした。
2025年モデルの行く末はかなり流動的な部分があるとの回答でした。今までの診療報酬改定にしても、医療法改正にしても、紆余曲折する部分がかなりありました。
これから、右にそれ左に曲がりながら2025年に向かっていくのだと思います。そんな状況の中で病院はどうすればいいか?
病院の基本となる方向性はもちろん不可欠ですが、状況に応じたフレキシブルでスピード感のある対応が重要だと思います。病棟構成にしても固定化せず、そのときどきの状況、診療報酬・各種医療制度・地域特性・自院の診療機能に応じて、思い切って再編していくべきだと思っています。
この辺の判断や実行を逸すると経営的に大きなダメージを負いかねません。
病棟構成の再編成は弊社の経営サポートにおいて、最も得意とするひとつです。どうぞご用命を。
前回のブログで、パネルディスカッションに参加する旨を掲載しました。参考までにその抄録を掲載します。
上尾中央医科グループは、昭和39年12月に上尾市立病院を引き継ぎ、現在の上尾中央総合病院を開設し産声を上げました。以来、病院新規開設等により拡大を続け、27の病院(ベッド数6,227床)、20の老健(入所定員2,730 通所定員946)、100の事業所(特養・クリニック・検査センター・グループホーム・サービス付き高齢者向け住宅・訪問看護[介護]ステーション・看護専門学校・リハビリ専門学校等)を埼玉・東京・神奈川・千葉・茨城・山梨に展開しています。
年間入院患者延数約200万人、外来患者延数約300万人、総職員数約15,000人、それぞれの病院・施設が地域医療・福祉の中心的存在となり、上尾中央医科グループは地域とともに成長して参りました。来年は開設50周年を迎えます。
病院グループの存在意義の一つ目として、情報共有・ベンチマーク・リスク回避を掲げます。各病院・施設の各種データを集約すると膨大で貴重なデータとなります。当グループでは「データ管理システム」というオリジナルシステムを開発し、膨大な情報を自動集計・帳票化することができました。これにより、ベンチマーク等を行い、経営等に対するリスク回避が迅速に行えるようになっています。
二つ目は、ベストプラクティスの活用です。当グループの事業活動の中で、様々な成功事例・模範となる活動事例を持っています。これを活用しない手はありません。代表例として、老人病院をリハビリ中心の病院に転換した成功例を参考に、以降2つの病院がリハビリ中心の病院に転換し、今ではそれぞれが地域のリハビリの中心的存在となっています。
三つ目は、グループ内連携による強固な地域連携の実現です。当グループが事業展開する多くの地域では、グループ病院に近接しグループ老健が存在します。それらの強固な連携を中心に病院⇔老健⇔在宅の地域完結型の連携が構築されています。
当グループでは多くの病院が老朽化に直面し、新築移転・大規模増改築を計画しています。更には増床計画・新設計画等も進行しており、消費税増税もあり、これらの計画に対する設備投資と人材確保が、今後の当グループの最も重要な経営課題になっています。
来る11月2日(土)・3日(日)に全日病学会in埼玉が開催されます。その中で、3日午後2時30分から、「病院グループ等大規模施設経営の将来を探る」と題してパネルディスカッションが行われ、それに参加することになりました。
当グループを含め、いくつかの病院グループや大規模病院が参加することになっています。
「グループ病院大規模施設としての存在価値」「経営課題」「消費税増税への対応」「将来のあるべき姿」などをテーマにディスカッションを展開することになります。
興味深い話が聞けると思いますのでどうぞご参加を。
この間、あるご縁で厚労省 保健局 医療課の人にお会いすることができ、今度の改定の考え方等について直接お話を聞くことができました。
皆さんが最も興味のある事柄のひとつが消費税対策だと思います。お話によると、前から議論されていた「高額投資に対する別建ての対応」については、不公平感が生じるなどの理由で、診療側・支払側からの反対意見が多く、これは実施しないことに決まったそうです。
対策としては、やはり診療報酬に上乗せで対応することになりそうだとのことです。具体的には・・・
診療所:初・再診料及び有床診療所入院基本料に上乗せ
病院:①診療所と同一の点数となるよう初・再診料を引上げ
②残りの財源を入院料等に上乗せ
歯科:初・再診料に上乗せ
調剤:調剤基本料に上乗せ だそうです。
大幅上乗せを期待したいところですが、どうなることやら。
来る9月20日(金)に、仙台にてセミナーを開催します。関東信越厚生局管内を飛び出しての初の開催になります。内容は以下の通り4題、まる1日のセミナーになります。AMGで培った経営ノウハウを活かし、経営に直結できるようなセミナーをこころがけています。他のセミナーでは聞けないような内容を自信を持ってお届けします。どうぞご参加をお待ちしております。
【演題名】
1 病床種別と適正な病棟構成について
2 様式9号による病棟人員計算の方法と入院基本料ランクアップへの工夫について
3 AMGの予算書・事業計画書・進捗管理について
4 施設基準遵守・適時調査対策について
「入院医療等の調査・評価分科会」中間とりまとめ(案)に亜急性期入院医療管理料等の見直しについても触れていました。
亜急性期病床の役割・機能として、①急性期病床からの患者の受入れ、②在宅等にいる患者の緊急時の受け入れ、③在宅への復帰支援の3つの機能を上げています。
①の要件として、重症度・看護必要度、②の要件として二次救急
病院の指定や在宅療養支援病院の届出、③の要件として在宅復帰率が示されています。
また、現行の病室単位から病棟単位とすることや、療養病棟での届出も可とするなども示されています。
回復期との区別が不明瞭な現行の基準とは大きく様変わりするように思います。
これも詳しくは9月・11月のセミナーでお話ししたいと思います。
8月7日に行われた「入院医療等の調査・評価分科会」において中間とりまとめ(案)が示されました。その内容は、2025年モデルへの道筋が見え隠れしています。このブログで何回かに分けて触れていきたいと思います。
まず、7対1入院基本料について触れています。7対1入院基本料を算定する病床は、「複雑な病態をもつ急性期の患者に対し、高度な医療を提供すること」と定義しています。また、急性期の定義を「急性期とは患者の病態が不安定な状態から、治療によりある程度安定した状態に至るまで」としています。
7対1入院基本料の条件としては、短期滞在手術患者の平均在院日数からの除外、平均在院日数特定除外制度の廃止、重症度・看護必要度評価項目の見直し、手術件数の要件化、DPCデータ提出の要件化、在宅復帰率の要件化、早期リハビリテーションの要件化等が取り上げられています。
そこには高度急性期病院・一般急性期病院の姿が見え隠れしています。
詳しくは、9月17日・11月の弊社主催のセミナーでお話ししたいと思っています。どうぞご参加ください。