-電子カルテについて一考-

 今、病院では電子カルテ(オーダリングシステム含む)の導入が進展しています。私が心配に思うのは、電子カルテ導入による莫大な費用負担です。導入時の初期費用は抑えられても、機能拡張時には他メーカーとの比較ができず、その度に莫大な費用を請求されるということをよく聞きます。また、保守費用もかなりの金額になります。更には一度導入してしまうと引き返しがきかず、ある程度のスパンで更新が必要になり、当然その費用も莫大です。
 電子カルテ自体は収入を生むものではありません。また、その使い方によっては効率化の逆方向に向かうこともあります。
 業者選定、機種選定、機能選択など、中長期での費用負担も含めて、しっかりした計画の下で電子カルテを導入したいものです。

-がん診療について一考-

「がん」に活路を見出す中小病院という興味深い特集記事が載っていました。その中で、「緩和ケア病棟の損益分岐点は17床」という記事が目に留まりました。施設基準上は7対1の看護配置ですが、2人以上の夜勤体制が条件のため病床数が何床であっても最低14人の看護職員が必要になります。よって、17床が損益分岐点というのは頷ける数字です。しかしながら、これは医師の配置が1人という前提での話のように思います。18床以上の緩和ケア病床となると、1人の医師で運営できるのか疑問です。緩和ケア病棟の運営が経営上いかに厳しいかがわかります。
 記事の同じページにがん拠点病院とホスピスの中間に位置する機能の病院を目指している病院のことが掲載されていました。これから、「がん診療」に取組む病院にあっては一考の価値ありではないかと思います。

特集記事:日経ヘルスケア9月号「がん」に活路見出す中小病院

-13対1以下がピンチ!?-

 診療報酬次回改定に向けて、以前より一般病棟13対1以下の入院基本料が大幅に減額される方向で議論が進められていることは、多くの記事などで目にしたことと思います。そしてこのほど、障害者施設等入院基本料13対1以下の入院基本料においても一般病棟同様の改定が決定的だとの話が耳に入ってきました。
 この議論が13対1以下の一般病棟が療養病棟の診療内容・平均在院日数などと大差ないだろうとの予測から端を発していることを考えると、障害者病棟も一般病棟同様の改定が避けられないのは頷ける話です。
しかしながら、中医協の調査では当初の予測とはかなり異なった調査結果が報告されており、現在様々な議論がなされているようです。
 上記のことを決定的と予測できる段階ではありませんが、該当する病院にあっては、最悪のシナリオを予測し対策を講じておく必要があると思います。

「じゃいつやるの?今でしょ!」

 経営が思わしくない病院を訪問して感じるのが、「何事も動くのが遅い」といことです。何かをやると決めたときに何かと理由をつけて、場合によっては理由もなく、事を始めるのを先延ばしにしようとします。

 やると決めたら「すぐにやる」癖をつけないと先が思いやられます。すぐに始めると、うまくいくがどうかが早く見極められます。やってみなければわからないことはたくさんあるはずです。

 一番怖いのは決断を先延ばしにして、選択肢が限られ、抜き差しならない状況になることです。

 テレビCMでも言っているように、「じゃいつやるの?今でしょ!」で行こうではありませんか。

ブログ始めました

 初めてのブログ掲載になります。筆不精の私ですので継続できるか心配ですが、肩ひじ張らずにほんのちょっとした情報などを掲載して行こうと思っています。どうぞよろしくお願いします。

 この間、「脳卒中・リハビリ革命」というタイトルでテレビ放送がありました。
 リハビリは発症後6ヶ月が勝負で、6ヶ月を超えるとリハビリの効果はほとんど期待できなくなる。今、その6か月を超えてもリハビリ効果が発揮できる新たな取り組みが行われているという内容のものでした。
 すばらしい取り組みだと思いますが、まだまだほんの一部の取り組みですし、この取り組みが進んだとしても、やはり機能回復の勝負は発症後6ヶ月だと思います。そこでリハビリのキーワードになるのが、「早期に提供」「濃厚に提供」「効果的に提供」です。
 超高齢化社会が進展する中、リハビリは病院にとって重要な診療機能の一部になりつつあります。リハビリ機能の拡充は病院経営の改善にも寄与する可能性があります。これから、リハビリをどのように整備・拡充していくべきか。病院にとって重要なテーマになりそうです。

参考:「脳卒中・リハビリ革命」
http://www.nhk.or.jp/special/onair/110904.html