星野リゾートに学ぶ2

 「星野リゾート」は否定的な意見も多い「マルチタスク」で人件費の削減とサービスの質向上に成果を上げています。一人のスタッフに食事係やフロント係、あるいは客室係など複数の仕事を兼務させます。これによりスタッフ配置(人件費)が大幅に削減できるというものです。更には、様々な局面からお客の情報が入ってくるようになり、サービスの質向上にも効能があるとのことです。
 病院は、他の業種に比べて極めて多くの職種と担当が存在します。専門職の集まりであるため、業務の兼業化には限界がありますが、ややもするとどんどん担当課が細分化されていく傾向がある病院にあっては、この「星野リゾート」の「マルチタスク」はおおいに参考にすべきではないかと思います。
 因みに、弊社でもこの「マルチタスク方式」で、いろいろな仕事を担当させることにより、「マルチな人材」の育成に取り組んでいます。

星野リゾートに学ぶ1

 テレビで「星野リゾート」のことが取り上げられており、興味深く視聴しました。不調に喘ぐ観光業界にあって、躍進を続ける星野リゾートは稀有な存在です。倒産したホテルを買取り、悉く再生させています。
 ひとつには緻密なマーケティングによるターゲットの絞り込みがあります。温泉がないというのが致命傷になり倒産に追い込まれたホテルを買取り、ホテルの選択理由に「温泉」が上位にくる比率が比較的低い「小学生以下の子供を持つ家族」をターゲットとしてホテルづくりを進めた結果、ホテル再生に見事成功したというのが典型的は事例です。
 漫然とした病院運営でベッド稼働が低迷し続ける病院はけっこう存在します。そのような病院は、自院の機能や地域特性に応じたターゲットの絞り込みと経営戦略の構築について一度じっくり考えてみてはいかかですか。

施設基準要件チェックの重要性

 弊社の経営サポートのひとつとして、施設基準要件のチェックを行っています。
 昨今、リハビリに係る診療報酬5年分返還だとか、保険医療機関取り消しだとか、大きな施設基準違反が報道されています。いずれも、病院経営の致命傷にもなりかねない経済的打撃を受けることになります。
 入院基本料・加算・医学管理料等、施設基準はどんどん増えています。また、それぞれの施設基準の要件も増え続けています。施設基準を遵守させるためには、相当こまかいチェックを行わなければなりません。
 施設基準に精通している職員を配置し、定期的に要件をチェックできる体制を整えていればいいのですが、なかなかそのような病院は少ないように思います。担当職員の知識不足などにより、そうとは知らず施設基準違反をしている場合もあるのではないでしょうか。適時調査などで違反が発覚した場合、故意であろうとなかろうと相当の返還を請求される可能性があります。
 そうならないためにも、施設基準要件の定期的チェックをお勧めします。自院でチェックするのが困難であれば、どうぞ弊社にご用命ください。

病院経営とは

 経営を辞書で引くと、「事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること。」となっています。そうすると、病院経営とは病院運営に係る全般ということになります。
 しかしながら、私は、病院の経営改善活動や経営管理業務のサポートを生業としていまので、このブログでは病院経営を経済的側面からのみ書いています。「様々な事業活動がどのように病院収支に影響するか。」「病院収支に好影響を及ぼすにはどのような事業活動をなすべきか。」とうような視点でこのブログを書いています。
 また、私の仕事柄、病院の様々な事業活動が、最終的には病院収支の安定・向上にも資することを願っています。
 どうぞこのことをご理解いただき、このブログを読んでいただければ幸いです。