病棟構成はフレキシブルに

 2025年モデルが発表されて以来、その行く末を予想していますが、その姿はかなり見えにくい部分があります。
 例えば、7対1=高度急性期、10対1=急性期だとすると、いつの時点かで、7対1と10対1の平均在院日数を逆転させなければなりません。少し前に、厚労省保健局医療課の課長補佐に会う機会があり、その辺のところを聞いてみましたが、明快な解答はありませんでした。
 2025年モデルの行く末はかなり流動的な部分があるとの回答でした。今までの診療報酬改定にしても、医療法改正にしても、紆余曲折する部分がかなりありました。
 これから、右にそれ左に曲がりながら2025年に向かっていくのだと思います。そんな状況の中で病院はどうすればいいか?
 病院の基本となる方向性はもちろん不可欠ですが、状況に応じたフレキシブルでスピード感のある対応が重要だと思います。病棟構成にしても固定化せず、そのときどきの状況、診療報酬・各種医療制度・地域特性・自院の診療機能に応じて、思い切って再編していくべきだと思っています。
 この辺の判断や実行を逸すると経営的に大きなダメージを負いかねません。
 病棟構成の再編成は弊社の経営サポートにおいて、最も得意とするひとつです。どうぞご用命を。

全日病学会in埼玉事務セッション抄録

 前回のブログで、パネルディスカッションに参加する旨を掲載しました。参考までにその抄録を掲載します。

 上尾中央医科グループは、昭和39年12月に上尾市立病院を引き継ぎ、現在の上尾中央総合病院を開設し産声を上げました。以来、病院新規開設等により拡大を続け、27の病院(ベッド数6,227床)、20の老健(入所定員2,730 通所定員946)、100の事業所(特養・クリニック・検査センター・グループホーム・サービス付き高齢者向け住宅・訪問看護[介護]ステーション・看護専門学校・リハビリ専門学校等)を埼玉・東京・神奈川・千葉・茨城・山梨に展開しています。
 年間入院患者延数約200万人、外来患者延数約300万人、総職員数約15,000人、それぞれの病院・施設が地域医療・福祉の中心的存在となり、上尾中央医科グループは地域とともに成長して参りました。来年は開設50周年を迎えます。
 病院グループの存在意義の一つ目として、情報共有・ベンチマーク・リスク回避を掲げます。各病院・施設の各種データを集約すると膨大で貴重なデータとなります。当グループでは「データ管理システム」というオリジナルシステムを開発し、膨大な情報を自動集計・帳票化することができました。これにより、ベンチマーク等を行い、経営等に対するリスク回避が迅速に行えるようになっています。
 二つ目は、ベストプラクティスの活用です。当グループの事業活動の中で、様々な成功事例・模範となる活動事例を持っています。これを活用しない手はありません。代表例として、老人病院をリハビリ中心の病院に転換した成功例を参考に、以降2つの病院がリハビリ中心の病院に転換し、今ではそれぞれが地域のリハビリの中心的存在となっています。
 三つ目は、グループ内連携による強固な地域連携の実現です。当グループが事業展開する多くの地域では、グループ病院に近接しグループ老健が存在します。それらの強固な連携を中心に病院⇔老健⇔在宅の地域完結型の連携が構築されています。
 当グループでは多くの病院が老朽化に直面し、新築移転・大規模増改築を計画しています。更には増床計画・新設計画等も進行しており、消費税増税もあり、これらの計画に対する設備投資と人材確保が、今後の当グループの最も重要な経営課題になっています。

全日病学会in埼玉パネルディスカッション「病院グループ等大規模施設経営の将来を探る」

 来る11月2日(土)・3日(日)に全日病学会in埼玉が開催されます。その中で、3日午後2時30分から、「病院グループ等大規模施設経営の将来を探る」と題してパネルディスカッションが行われ、それに参加することになりました。
 当グループを含め、いくつかの病院グループや大規模病院が参加することになっています。
 「グループ病院大規模施設としての存在価値」「経営課題」「消費税増税への対応」「将来のあるべき姿」などをテーマにディスカッションを展開することになります。
 興味深い話が聞けると思いますのでどうぞご参加を。