すごい! 不死身の常磐ハワイアンセンター「一山一家」の精神

 常磐ハワイアンセンター(今のスパリゾートハワイアンズ)の前身常磐炭礦は世界でも有数の劣悪環境の炭坑で、灼熱の炭坑内では炭坑夫は常に死の危険と隣り合わせの状況下で作業を続けなければならなかったのだそうです。そんな状況下では、それぞれが家族のような結びつきで助け合う必要があったのです。そこから生まれたのが「一山一家」の精神です。
 廃坑の危機にさらされたとき、財閥系の炭坑でなかった常磐炭礦は、いわきの地で生き残る術を見出すしかなかったのです。その結果生み出されたのが常磐ハワイアンセンターです。建設当時にも「一山一家」の精神が大いに発揮され、多くの人が手弁当で建設に参加したそうです。
 開業後もオイルショックやバブル崩壊という大きな危機に見舞われましたが、見事乗り切りました。そして、東日本大震災と原発事故、さすがに多くの人がもう駄目だろうと思ったのではないでしょうか。
 しかし、この最大の危機も乗り切り、見事復活を遂げたどころか、過去最大の入場者数を記録しているのです。更には、一人の脱落者(退職・リストラ)も出さなかったのだそうです。
 すごい!としか言いようがありません。日本企業の理想の形のひとつではないかと思います。

スコラーリ監督のマネジメント力

 先のコンフェデレーションズカップで戦前の前評判を覆し、ブラジル代表が堂々の優勝を遂げ、来年の自国開催W杯に向けて大きな前進をしました。この優勝は、スコラーリ監督のマネジメント力によるところが大きいという記事を目にし、大いに関心させられました。
 監督は優れたセレクターであり、優れたモチベーターだと言うのです。多くのタレントを擁するブラジル代表の中にあって、緻密な戦術に裏打ちされた各ポジションの役割を明確にし、各選手の特徴を精密に分析し、ビッグネームの排除も厭わず適材適所で選手を配置する。配置した選手が描いた戦術通りに動くよう説得する。プライドの高い選手ばかりのブラジル代表でやる気を失わせず選手がやりたくない動きも説得してやらせる。それらの取り組みが優勝という結果になって表れたと記事は書いていました。
 優れたセレクターであり、優れたモチベーター。組織のリーダーにあっては、目指すべきひとつの姿ではないでしょうか。