2014年診療報酬改定個別改定項目から将来の方向性を読む⑤

 5回目は、「急性期病床と長期療養を担う病棟の機能分化」です。
 「入院90日超患者、維持透析患者、超(準)重症者入院診療加算対象患者は療養病棟で診るべし」と誘導しています。
 また、療養病棟でも地域包括ケア病棟への転換が可能となったのは、注目すべきです。患者獲得競争に勝利するためにも、積極的に狙うべきかと思います。
 更に、療養病棟入院基本料1の在宅復帰機能強化加算の新設についても注目すべきです。将来、この加算が療養病棟入院基本料1の要件となることも予測されるため、今から在宅復帰・病床回転に取り組むべきかと思います。

2014年診療報酬改定個別改定項目から将来の方向性を読む④

 4回目は、「亜急性期の機能に応じた評価」です。今改定で、地域包括ケア病棟(旧亜急性期病床)と回復期リハビリ病棟の機能がある程度明確になったように思います。極論すると、地域包括ケア病棟はサブアキュート中心、回復期リハビリ病棟はポストアキュートということになるかと思います。また、高度急性期と地域包括ケア病棟の機能ミックスが不可ということも注目です。

2014年診療報酬改定個別改定項目から将来の方向性を読む③

 3回目は、「急性期機能の明確化と機能強化」です。入院90日超患者の取り扱いの見直し、短期滞在手術基本料の見直し、ADL維持機能加算の新設など、平均在院日数を短縮していこうとする方向性が読み取れます。
 また、救急医療管理加算の見直し、手術・処置の休日・時間外・深夜加算の見直し、内視鏡検査の休日・時間外・深夜加算の新設から、急性期においては、救急診療を重要視していることが読み取れます。
 要約すると、急性期では、入院期間の短縮と救急(特に夜間・休日)体制の強化が求められていることがよくわかります。

2014年診療報酬改定個別改定項目から将来の方向性を読む②

 2回目は、②「高度急性期と一般急性期の機能分化=7対1入院基本料のふるい落とし」です。
 「平成25年度入院医療等の調査・評価分科会中間とりまとめ(案)」では、7対1入院基本料=高度急性期と示しています。増えすぎた7対1入院基本料を今改定以降でふるい落としにかけることが読み取れます。
 今改定では、その第一弾として、「重症度、医療・看護必要度」の評価項目の見直し、7対1入院基本料に在宅復帰率を基準として新設などが行われます。
 次回以降の改定では、「重症度、医療・看護必要度」の評価項目の更なる見直し、新たな基準の設定などが予測されます。

2014年診療報酬改定個別改定項目から将来の方向性を読む①

 去る1月29日に診療報酬改定個別改定項目が公表されました。その内容を以下の通り整理してみると、将来の方向性が見えてくるように思います。
 ① 高度急性期機能の明確化と機能強化
 ② 高度急性期と一般急性期の機能分化=7対1入院基本料のふるい落とし
 ③ 急性期機能の明確化と機能強化
 ④ 亜急性期の機能に応じた評価
 ⑤ 急性期病床と長期療養を担う病棟の機能分化以上について、何回かに分けて触れていきたいと思います。

 1回目は、①高度急性期機能の明確化と機能強化です。
 今改定では、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、総合入院体制加算、新生児特定集中治療室管理料、総合周産期特定集中治療室管理料、小児特定集中治療室管理料の基準を整備するものです。これらの機能が、高度急性期に必要な機能とみていることが読み取れます。また、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料で変更による影響を緩和するため設定した基準は、いずれふるい落としされる可能性が高いと思われ、要注意です。