セミナー開催

 今改定は、2025年モデルを反映した第1回目の改定となりました。よって、2025年へ向かう方向性が今改定に見え隠れしています。改定自体への対策はもちろんのこと、改定の方向性を読み解き、これからの病院経営戦略を組み立てていかなければなりません。
 そこで、今改定への対策、今後の病院経営戦略にとってお役に立てられるようなセミナーを開催することといたしました。詳細は弊社ホームページにご案内をアップいたしましたのでご覧ください。
 きっとお役に立つと思いますよ。

支出の増大について考える

 当グループの26年度予算策定が終わりました。かなり厳しい数字となっています。診療報酬マイナス改定、消費税増税はもちろん深刻な影響を及ぼしていますが、もっと深刻なのが支出の増大です。
 今改定は、ストラクチャー評価からアウトカム評価へ、今後の診療報酬改定の方向転換を示唆しています。いくら人を集めても設備を拡充しても、実績を伴わないと点数が付かないということです。また、看護職員をいくら厚くしても、それだけでは7対1以上のランクアップはありません。逆に、厚い看護配置をしても重症患者が少なかったり、平均在院日数が長かったりで、看護基準と同等の点数を取れないということもあり得ます。
 厚い人員配置や設備の拡充をするのであれば、それに見合う実績(重症患者比率アップや診療単価アップ)が求められるということを知らなければなりません。お金をかければ収入が上がるという時代はもう終わりました。
 「入るを量りて出ずるを制す」を肝に銘じるべきだと思います。

病棟構成(機能ミックス)を考える

 今改定で、亜急性期の機能区分として亜急性期入院医療管理料に代わって、地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)が新設されました。名前の通り、地域包括ケアシステムの中心をなすべき病棟ということになるかと思います。
 名称や包括範囲(リハビリ)施設基準などから、サブアキュートを中心とした医療提供ということが読み取れます。これで、回復期リハビリ病棟=ポストアキュート、地域包括ケア病棟=サブアキュートという役割分担が明確になったように思います。
 以上の役割分担、対象疾患、患者重症度、診療報酬、入院期間などから、回復期リハビリ病棟は急性期病棟との機能ミックスがマッチしやすく、地域包括ケア病棟は慢性期病棟との機能ミックスがマッチしやすいように思います。
 特に、療養病床中心の病院こそ、地域包括ケア病棟を狙うべきと思っています。これからは、療養病棟といえども入院させっぱなしではいられなくなりました。7対1入院基本料において、75%以上の在宅復帰率が求められ、その在宅復帰対象のひとつに在宅復帰機能強化加算を算定している療養病棟が数えられているからです。7対1入院基本料を算定している病棟から療養病棟に転出させようとするとき、当然ながらその選択肢は当該加算を算定している病棟ということになってきます。
 療養病床中心の病院が、この地域包括ケア病棟を持つには、在宅の患者を受け入れる取り組みをしなければなりません。在宅から受け入れた患者は、必要な治療が終われば、在宅に受け入れる機能が既にあるわけですから、在宅復帰する可能性は高くなります。地域包括ケア病棟で受入れた在宅療養の患者を療養病棟経由で退院(在宅復帰)させれば、療養病棟の在宅復帰率・ベッド回転率アップに貢献することになります。また、新たな患者獲得のチャンスも広がることになります。
 取り組む価値ありです。