タイムリミットまであと5年!迫る病棟選択のとき(その3)

 病床機能情報報告による「立ち位置」の明確化だけでなく、診療報酬改定による追い込みも心配だ。
 日経ヘルスケアのよると、以下のような改定による機能分化推進が予測されるとしている。
 ○2014年度改定で7対1・10対1一般病棟の入院90日超特定除外制度を見直し
 ○2014~2018年度改定で、7対1・10対1一般病棟入院基本料の看護必要度基準を見直し
 ○2018年度、2024年度改定で、一般病棟入院基本料の平均在院日数要件の厳格化
 ○2014年度改定で、亜急性期・回復期の報酬体系を整理。急性期後の比較的高度な医療の提供や、早期退院を評価する体系に再編。また、医師・看護配置などを要件に盛り込んだ上で、療養病床からの乗り入れも可能に。

 13体1・15対1のように療養病棟入院基本料1を選択しない場合、90日超の平均在院日数除外対象患者を除外できなくなった上で平均在院日数を短縮されると、10対1以上の一般病床で平均在院日数の要件を満たせなくなる病院は少なからず出てくることが予測される。また、重症患者比率がより高く設定されるとすると、これも脅威と言えるだろう。
 一般急性期に残りたいのであれば、重症患者・新規入院患者増の方策を練るしかない。最も即効性があるのは、やはり救急、特に夜間・休日における救急診療の強化ではないかと思う。
 手遅れにならないよう、今からすぐにでも対策進めなけれなならない。

タイムリミットまであと5年!迫る病棟選択のとき(その2)

 2025年モデルの機能区分を予測すると、病院まるごとがそれぞれの機能ごとに区分されるというよりは、現在のケアミックスのように、ひとつの病院で複数の機能が混在するということのほうが想定しやすいように思われる。
 そこで、自院の各病床種別が2025年モデル上の機能区分のどれを目指すべきかをできるだけ早い段階で見定めなければならない。当然それには自院の病床種別ごとの機能評価をしっかり行わなければならない。この機能評価とそれによる機能選択は、2014年にスタートする病床機能情報報告制度の中身を大いに参考にすべきだと思う。
 医療界では、どうも急性期が上で亜急性期・長期療養は下であるというような風潮があるが、決してそうではなくそれぞれが各地域で求められる機能だと理解し、今までの機能に固執し過ぎず、思い切って機能選択をする必要もあるのではないかと思う。

タイムリミットまであと5年!迫る病棟選択のとき(その1)

 日経ヘルスケア2013年4月号に標記タイトルで、極めて興味深い記事が載っていましたので、何回かに分けて触れてみたいと思います。
 病床機能情報の報告制度を導入するための法案が今秋にも提出され、2014年度にも運用を開始する見込みだということです。これは、①急性期②亜急性期③回復期④長期療養⑤障害者・特殊疾患⑥複数機能を有する病棟というような6つの機能ごとに、どのような患者が入院しているか、どういった医療行為を多く提供しているかなど、医療の性質が分かるような内容となっていとのこと。
 この情報が、2016年の診療報酬改定、2018年の同時改定に反映されるのは言うまでもなく、更には2018年からスタートする第7期医療計画にも反映されるということです。
 この2018年時点で、各病院の「立ち位置」がある程度はっきりするだろうというのです。その時点で、選択している病床種別と「立ち位置」にギャップがあるとすると、実力不足により改定の度に大きなダメージを受けることになります。やむなく種別を変更したとすると、「後発」ということになり経営的には不利になります。
 そうならないためにはどうするか。次回で触れていきます。