診療報酬改定に思う

2016年診療報酬改定は、改定率▲0.84%との発表がありはしたが、薬の「市場拡大再算定」分の▲200億円分が隠されていて、今までの計算方法でいくと、実際の改定率は▲1.03%だという。医師会騙し、医療関係者騙しとも受け取れる。
個別改定項目の内容を見ても、首をかしげたくなるような項目が見受けられる。例えば、7対1入院基本料の「病棟群単位」だ。当初、「病棟単位」への暫定措置的な公表をされていたが、7対1入院基本料削減の激変緩和措置として説明されている。今後は、「病棟単位」なのか、それとも「病床種別単位」なのか、先行きが見えない。
それから、地域包括ケア病棟(病床)だ。手術・麻酔の出来高算定が可能になるが、それで地域包括ケア病棟(病床)の拡大が進むとは思われない。「病棟群単位」により、7対1と10対1の混在が可能になるので、7対1を維持できない病院は、まず一部の病棟を10対1にするだろう。急性期を持たない病院であれば意味があるが、急性期とのケアミックスであれば、手術患者は急性期病棟で受け入れるであろう。
更には、療養病棟の在宅復帰機能強化加算だ。今回の改定で回転率の考え方が消えてしまった。年間平均入院患者数が新入院患者数のことを指すのだとしたら、今までとは真逆で、いかにベッドを回さないかが重要になってくるように思われる。
その他にも首をかしげたくなるようなものがあるが、いずれにしても、2年に1回の度に場当たり的な改定にはして欲しくない。医療機関にとって、この先の道筋が見えるような改定であって欲しいものだ。

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