弱った病院の前兆8

8 横文字が増える
 不思議に外来語を多用する組織は弱くなります。正確な理由は分かりませんが、たぶん誤魔化しが増えるからだと思います。ちゃんとした日本語があるにもかかわらず、わざと英語を使うのは単刀直入に問題の本質に触れたくないからです。その姿勢がまずトップから滲み出し、徐々に組織全体に浸透し、やがて誰もが難しい課題、問題のある事業から目を逸らすことになり、企業の潜在リスクが膨張してしまいます。
なるほどなあと思いました。皆さん胸に手を当ててみてください。

弱った病院の前兆7

7 社員が急に増える
 利益率が低下しているのに社員がどんどん増える会社は弱まります。顧客ニーズが鈍化しているのに組織を肥大化させることはトップのリスク感覚がない証拠です。やがては社員が顧客利益と関係のない仕事を増やすことになります。その過程で顧客ニーズが減少に転じるケースが多いので会社は一気に赤字体質に変わってしまいます。この不況下でこのような組織は簡単に炙り出されます。
(宋 文州)
 病院の経営が悪化しているにもかかわらず、職員を増やし続けている病院があります。患者数が減少しているにもかかわらず、看護職員は増え続け、そのエネルギーは看護理論や看護記録に向かいました。その病院は、あっという間に、容易に抜け出せない赤字体質に陥ってしまいました。

弱った病院の前兆6

6 喧嘩をしない
 喧嘩をしないというよりも遠慮がちといったほうがもっと適切かもしれません。会議や打ち合わせの際、遠慮なく上司、同僚、部下に対して言うべきことを言える組織は活力がある組織です。意見といえばよく思いつくのは、部下が上司に意見を言うことですが、実は上司が遠慮なく部下に意見を言えることがもっと大切です。部下の意見を大切にすることはイコール部下に遠慮することではありません。部下の欠点を叱りながらも意見の大切な部分を見抜くリーダーの純心が必要です。仕事上の意見がぶつかっても個人感情にシコリが残らないのはよい組織です。(宋 文州)
 私もその通りだと思います。上司が日頃からいろいろな意見や考えを言わなければ、部下にとっては意見をぶつける相手がいなくなってしまいます。「リーダーたる者有言実行であれ」です。何をするのか、何をすべきかを常に語り、語ったことは必ず実行する。それが信頼されるリーダーではないでしょうか。
 それから、言い方は悪いかもしれませんが、日頃からある程度の「私語」「無駄口」が飛び交うような組織は活力があるように思います。そこには、自由に意見を言っていいような風土があるからではないでしょうか。

弱った病院の前兆5

5 文章が多い
 内部向けの文章がやたらと多い組織はよくない組織です。議事録、会議録、報告書、日報、メール・・・文章の長い人ほど、多い人ほど仕事ができません。ダメな上司は文章を読み、ダメな部下は文章を書き、作文で時間を消耗して仕事ごっこをやります。だいたい文章が下手な人ほど文章を書きたがるので読まれないのも当然です。(宋 文州)
 上記の主旨と少しずれるのかもしれませんが、最近の病院は記録類が多すぎるように思えてなりません。記録に時間をかけ過ぎて本来の診療や看護の時間が削がれるのであれば、本末転倒のように思います。もちろん、必要な記録は当然しなければならず、それさえできていない病院もあり、そんな病院は問題外と言わざるを得ません。また、記録の不備により病院が責任を問われることもあります。しかし、そうであればこそ、記録類の効率的な運用により、貴重な時間やエネルギーを本来業務に傾ける工夫も大事なように思います。

弱った病院の前兆4

4 美男美女が増える
 偏見かもしれませんが、このような傾向を感じてなりません。昔有名なベンチャー投資家が「美人の秘書を持つベンチャー経営者はダメ」という「偏見」を持っていましたが、堀江さんなどの「風雲児」を見て見事にそれは当たりました。たぶん見栄や恰好を気にすると組織が甘くなると思います。(宋 文州)
 美男美女はともかく、見栄えや恰好ばかりを気にする傾向は、病院経営にとっても良い方へは傾かないような気がします。
 むしろ、地道に泥臭く、患者や地域のために診療を行う病院こそ末永く生き残る病院のように思えてなりません。

弱った病院の前兆3

 取締役が営業しない
 取締役クラスの偉い人が営業しない会社に良い会社はありません。役員やそれに該当するリーダーが営業に行くことに以下のような重大な意義があります。
 ○顧客を知る。事業を知る。変化を知る。現場を知る。
 ○社員がトップの動きをみてモチベーションが上がる。
 以上の2点が大事にされていない会社は弱まります。(宋 文州)

 私は病院の事務長時代に、よく営業に回っていました。今でも率先して営業に出るようにしています。
 院長・事務長・看護部長が自分の部屋ばかりにいる病院は、間違いなくダメな病院です。病院の現場を回っていますか?
 それから、病院にとって今や営業は不可欠な活動です。院長・事務長・看護部長が率先して営業に回っている病院もあります。院長はともかく、事務長・看護部長は宋氏の言葉を噛み締め、たまには営業に出てみてはいかがですか。

弱った病院の前兆2

 同じやり方が3ヶ月以上続く
 朝礼や発表会など、どこの会社にも定期的な行事があります。その定期的な行事が同じやり方で3ヶ月以上続く会社はだいたい弱っています。もともと行事の目的は何らかの経営課題を解決するためにあります。3ヶ月もすればだいたいボトルネックが移動しているはずです。それにも関わらず以前の課題のための形を取り続けることは怠慢の始まりです。(宋 文州)
 確かに異なる課題に対して、いつも同じ手法で解決しようとすることには無理があると思います。それから、同じことを続けていると楽ですし考えることをしなくなるように思います。私も昔、厳しい上司から、「変えることがなければ、せめて机の配置でも変えろ」と言われたことがあります。マンネリはガンのように組織や個人を気づかないうちに蝕んでいきますよ。

弱った病院の前兆1

 ソフトブレーンという会社を興し、外国人企業家として初めて東証一部上場を果たした 宋 文州氏 の言葉で、「弱った会社の前兆」として以下のように述べています。病院にも当てはまる内容で、とても参考になると思いましたので、数回に分けて取り上げてみます。

1 会議が多くなる
 不思議なことに会社が弱くなるとやたらと会議が増えます。部長や役員のスケジュールを覗いてみると会議で大半の時間を占めています。その分、必ず部下を巻き込んでいるので会議室が足りない状況が続きます。末期症状になると企業なのに「○○委員会」とか「○○協議会」のような役所的な会議組織まで出来上がります。会っても議論しない、議論しても実行しない、実行しても検証しない、検証しても責任を取らない。会議の多い組織は絶対責任に辿り着かないのです。(宋 文州)
 ハット思い当たる病院はけっこうあるのではないでしょうか?会議そのものが悪いということではないと思います。病院にとっての本来業務である医療にかける時間やエネルギーを会議でいたずらに無駄にしてはいないでしょうか?
 それから、委員会活動等では、ややもすると責任の所在が不明確になることがあります。委員会等で決定したことが、責任をもって実行されていますか?実行した結果を検証し、その結果に責任を負っていますか?

経営管理セミナーを計画しています

「教えますAMG(プリオ)の経営管理」と題し、今年度2~3回、経営管理セミナーを以下の内容で計画しています。
 1 病院の収支構造について
 2 事業計画と予算書の策定手順・方法について
 3 各種経営データ・医事データの読み方について
 4 各種経営データ・医事データの分析手法について
 5 病床種別と適正な病棟構成について
 6 様式9号による病棟人員配置の計算方法と入院基本料ランクアップへの工夫ついて

 これ以外に、こんな内容でやって欲しいというようなものがございましたら、メール等でどしどしお寄せください。
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