超(準)重症者入院診療加算の算定要件変更に大きな疑問

 超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算は、重症度をスコア評価し、スコア10点以上で準超重症児(者)入院診療加算、25点以上で超重症児(者)入院診療加算が算定できる。ある程度以上の重症患者、手のかかる患者に対して加算がつくため、手のかかる患者を積極的に受け入れた評価として、意味のある加算だと思っていた。
 しかしながら、今改定で対象患者を「15歳までに受けた障害を起因とする場合」という注釈がつき、対象患者が限定された。正直対象患者はほんの一握りだろう。また、今改定で当該加算の算定が可能になった療養病床にあっては、ほとんど算定できないであろう。算定対象病床種別を拡大しておきながら、対象患者を一握りの数に限定する。改定の主旨が理解できない。

慢性期病床は2点セットがカギ

 今改定で見えてきたのは、療養等慢性期病床であってもベッドの回転が求められてきたとことである。退院調整加算、維持期リハビリテーションの取り扱い等で見て取ることができる。
 標準的算定日数を超えた要介護・要支援認定患者に対するリハビリは今改定で減額され、次回改定で算定不可となることが定められた。ほとんどの出来高算定が認められない療養病床にあって、出来高算定が唯一できるといっていいリハビリ、この算定不可により大きな打撃を受ける病院は少なくないだろう。
 これからの2年間どうするか?まず、急性期病院、介護施設、在宅等から、今まで以上に患者を積極的に受け入れる。これにより、救急・在宅等支援療養病床初期加算が算定できる。受け入れた患者は積極的に退院調整を行い、ベッド稼働とのバランスを見ながら、できるだけ早期に退院させる。当然ながら、退院後の受入先の開拓も必要となるが、これにより退院調整加算の算定回数がアップする。
 これらの取り組みにより、ベッドが回転し平均在院日数も短縮する。脳血管疾患リハビリの標準的算定日数である180日をめざすべき平均在院日数とし、達成したいところである。
 以上の取り組みの進捗状況の指標となるのが、救急・在宅等支援療養病床初期加算と退院調整加算の2点セットではないだろうか。

急性期は救急関連3点セットが重要

 急性期病院にあっては、今改定も救急関連の点数配分が厚くなった。その中で、夜間・休日等時間外における救急医療の拡充が、特に重要視されているのがよくわかる。
 時間外の診療体制を拡充し、救急搬送のいかんにかかわらず、積極的に患者を受け入れる。救急搬送であれば、夜間休日救急搬送医学管理料を算定、救急搬送でなければ院内トリアージ実施料を算定する。結果として、救急医療管理加算の算定回数もアップする。
 救急医療管理加算、夜間休日救急搬送医学管理料、院内トリアージ実施料の3点セット、これの算定回数アップに対する取り組みをやらずして、急性期医療をやっているとは胸を張れないのではないかと思う。