-改定の行方-

 10月30日(日)に「2012年度 診療報酬・介護報酬改定の行方」と題して、日経ヘルスケア主催のセミナーが開催されます。
  私の中では日経ヘルスケアは最も信頼性の高い情報を提供してくれる媒体だと思っています。 ちょっと手遅れかもしれませんが、まだお申込みでない病院は申し込んでみてはいかがでしょうか。
  私どもでは、このセミナーに参加することになっていますので、今後のブログで取り上げてみたいと思っています。

-何故救急が大事なのか?(その3)-

 紹介率の高い病院は別として、救急入院率・時間外入院率は通常診療のそれよりも高いのが普通です。
 通常診療で稼げない病院、多くの紹介患者を得られない病院にあっては、時間外の救急体制の拡充をお勧めします。
 入院患者獲得のチャンスが広がるだけでなく、時間外の救急体制下で入院した患者の多くが救急医療管理加算の対象となります。原価のかからない8千円の加算が7日間を限度として算定できるのはご存じのことと思います。通常の診療で8千円の収入を得るのにどれくらいの原価がかかるのかを計算してみてください。
  真剣に取り組まない手はないと思います。

-何故救急が大事なのか?(その2)-

 通常診療で診療機能を高め他の病院との差別化を図るには、優秀な常勤医師の招聘が必要になります。ところが、優秀な医師は優秀な医師のいるところ、もともと診療機能の高いところに集まるという現実があります。「優秀な医師の招聘が、現状打破の唯一の方法だ。」なんてことを続けていると、状況は悪化の一途ということになりかねません。 
 通常診療に比べて、時間外の診療についてはどこの病院も力を入れているとは言えません。よって、競争相手は格段と少なくなります。優秀な常勤医師は採用できなくても、優秀な当直医師は採用できるはずです。多少高い当直手当を払ってでも優秀な当直医師を複数(内科系と外科系)採用して、思い切って時間外の救急体制を厚く整備し、救急車を積極的に受け入れる。救急搬送先で困っているのは夜間・休日です。救急隊などへのPRを続ければ相当数の救急患者数・時間外患者数が見込めるはずです。

-何故救急が大事なのか?(その1)-

 急性期病院にとって何故救急が大事なのか?私なりの考えを以下にまとめてみました。
 診療報酬次回改定で、DPCの調整係数が廃止され、基礎係数に振り替えることを前提として、様々な協議が進められています。機能係数も含めて、具体的な係数配分の決定までにはまだまだ詳細な協議が必要だろうと思います。ただ、調整係数と基礎係数を比較すると民間病院の多くは、マイナスになるだろうと予測しています。
 基礎係数でのマイナスを補おうとするのであれば、機能評価係数を稼がなければなりません。機能評価係数の中で、日頃の取り組みが反映され、しかも係数のボリュームも大きいのが救急医療係数です。
 この係数は救急入院の数が多ければ多いほど高くなります。DPC算定病院にあって、何故救急が大事なのかがおわかりのことと思います。