電子カルテを宝の持ち腐れにしないために

 この間、MDC別に救急搬送入院とそれ以外の入院の重症患者比率(重症度、医療・看護必要度評価において、A項目2点以上かつB項目3点以上の比率)を比較してみました。平均すると救急搬送入院の方がそれ以外の入院を5ポイントほど上回っているという結果になりました。
 MDC別、病院別に見ると、とても興味深い結果となっており、その詳細については別の機会に触れたいと思っています。
 今回、述べたかったのは結果についてではなく、電子カルテの機能についてです。今回の調査を紙カルテでやろうとすると、かなりの作業時間となってしまいます。まずは、救急搬送入院の患者を特定して、その患者のカルテをひとつひとつ見て重症度評価を確認しなければなりません。一方、電子カルテでは同様のデータが30分ほどで抽出できてしまうのです。
 電子カルテは診療情報の塊です。これを有効に活用してこそ莫大な資金投入をした価値があるというものです。ただ、これを有効活用している病院がどれほどあるのかが問題です。情報の共有化などで便利になったというだけでは宝の持ち腐れです。瞬時に抽出できる診療情報をより良い病院づくりに大いに活用すべきではないでしょうか。

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