診療報酬改定重点項目(その2)
【一般病床関係】
◎7対1入院基本料(施設基準変更)
平均在院日数:19日→18日
看護必要度:1割以上→1割5分以上
<取り組み>
中医協では、7対1入院基本料を新設した当初、想定ベッド数を2万床としていた。それに対し現在では7対1入院基本料算定病床は34万床にまで至っている。今改定を皮切りに7対1入院基本料算定病床の首切りがスタートすると見るべし。
ベッド稼働を落とさないで平均在院日数を短縮するには、新規入院患者数の拡大を図ること。新規入院患者数を獲得するためにも、重症患者獲得のためにも、救急受け入れ体制・時間外診療体制の強化は必須と考え取り組むこと。
◎10対1入院基本料(加算新設・廃止)
一般病棟看護必要度評価加算:15点
→看護必要度加算1(15%以上):30点(1日につき)
看護必要度加算2(10%以上):15点(1日につき)
<取り組み>
加算1を必ず算定すること。
◎急性期看護補助体制加算1 25対1(新設)
看護補助者が5割以上の場合:160点(1日につき、14日を限度)
看護補助者が5割未満の場合:140点(1日につき、14日を限度)
<取り組み>
人員拡充による人件費増と比較し、それ以上の収入増が見込めるかどうかをよく検討すること。
◎夜間急性期看護補助体制加算(新設)
夜間50対1急性期看護補助体制加算:10点(1日につき、14日を限度)
夜間100対1急性期看護補助体制加算:5点(1日につき、14日を限度)
<取り組み>
ほとんどの病院で看護補助者の夜勤配置があるはずである。従って、ほとんどの病院が算定可ではないかと思われる。
◎看護職員夜間配置加算(新設)※要試算
50点(1日につき、14日を限度)
<取り組み>
急性期看護補助体制加算1と同様。
◎医師事務作業補助体制加算(評価新設)※要試算
30対1補助体制加算:410点(入院初日)
40対1補助体制加算:330点(入院初日)
<取り組み>
新設のランクだけでなく、できるだけ上位ランクを目指すべし。ただし、医師のパフォーマンスを上げ、診療収入を拡大することが狙いであり、それができないようであれば、この加算の上位ランクを狙う意味はない。
◎精神科リエゾンチーム加算(新設)
200点(週1回)
<取り組み>
この加算を取るためだけに精神科リエゾンチームを作るのでは意味がない。精神疾患のある患者に対して精神科リエゾンチームが担当医に対してフォローすることにより、担当医の負担軽減が実現でき、患者受入が拡大するのであれば、大いに意味がある。
◎金曜入院月曜退院(点数ダウン)
土日(手術・高度な処置等を伴わない場合)の入院基本料の8%を減額
※金曜日入院、月曜日退院の割合の合計が40%を超える医療機関
<取り組み>
AMGでは最高で36%であり、これに対する取り組みは特に必要ないように思われる。
◎午前中退院(点数ダウン)
退院日(手術・高度な処置等を伴わない場合)の入院基本料の8%を減額
※午前中に退院するものの割合が90%を超える医療機関
<取り組み>
90%を超える病院にあっては、できるだけ昼食を摂ってから退院してもらうような工夫をすべきである。今のところ、 90%を超えているのは1病院だけであり、過度に神経質なる必要はないが、毎月データだけはチェックすべきである。
万一、減算対象病院になってしまった場合には、算定要件が拡大した退院調整加算(特に入院30日以上の患者には必ず)をできるだけ算定し、減算から逃れること。
◎亜急性期入院医療管理料(評価見直し)※要試算
2,050点→管理料1(リハビリ算定がないもの)2,061点
管理料2(リハビリ算定するもの)1,911点
<取り組み>
この算定が収入上有利か否かを厳密に試算した上で、この算定の可否を判断すること。
◎DPC対象病院の外来診療データ提出(DPC見直し)
<取り組み>
DPC病院、DPC準備病院としては必須事項である。
◎機能評価係数Ⅱ(DPC見直し)
<取り組み>
今改定で調整係数の上乗せ評価されていた部分の25%が機能評価係数Ⅱに置き換えられる。おそらく、AMGの多くの病院がマイナスになる。このマイナスになった部分が機能評価係数Ⅱに上乗せされると考えるのが妥当である。そこで、如何に機能評価係数を上乗せできるかである。今改定で機能評価係数Ⅱの評価手法の見直しがなされるが、上乗せで狙うべきは以下の項目である。
・救急医療指数:とにかく救急受入患者数を増やすこと。
・地域医療指数
・脳卒中地域連携:「脳卒中地域連携診療計画管理料」等の施設基準を取得すること。
・がん地域連携:「がん治療連携指導料」等の施設基準を取得すること。
・地域がん登録:できるだけ多くのがん登録を行うこと。
・救急医療:できるだけ多くの救急入院患者数を獲得すること。
・24時間tPA体制:急性期脳卒中加算を算定すること。
・EMIS:広域災害・救急医療情報システムへ参加すること。
※上記項目の全てをクリアできない病院はDPCから退場となることを肝に銘ずべし。
をカバーするしかない。