フレキシブルに方針転換を
最近、固定観念で凝り固まって変化しようとしない組織は、やはりとことんダメだなあとつくづく感じました。
先日、ある老人保健施設に経営指導に行ってきました。経営指導をするからには、当然ながら経営がうまくいっていない施設です。経営がうまくいっていないのは、やはりうまくいかないなりの決定的な原因を抱えています。
今や、老人保健施設は利用者の獲得競争の状態にあります。入所待機者が数か月待ちというのは昔の話となっています。その施設でも、入所者の獲得がままならず稼働が不安定で経営不調の大きな原因になっています。にもかかわらず、他の老人保健施設や特別養護老人ホームへの転出を利用者が希望していないにもかかわらず、止めていないのです。
老人保健施設は中間施設として位置づけられ、入院治療を終えた患者を入所させ、在宅復帰を目指す施設とうい社会的役割を担わされました。それが、ずっと入所していられる施設ではないという固定観念になり、それを変えられないできたからだと思います。
他の老人保健施設や特別養護老人ホームへの転出は、ただ横滑りさせただけで何の社会的役割も果たしていないのです。待機者がたくさんいて、数か月も待たせているのであれば、ベッドを回転させて多くの人に利用いただくという社会的役割を果たすことは必要だと思います。しかし、ベッドが空いているにもかかわらずです。
組織にとって方針は不可欠です。しかしながら、方針は不変的なものではないはずです。そのときどきの社会情勢や制度改革、あるいは自施設の状況などにフレキシブルに対応して変化させなければならないと思います。しかもスピード感を持って。それをしなければ確実に取り残されてしまいます。
しかし、ダメなところはそれをしません。頭が固いのか、変えることへの労力を使いたくない怠け者なのか。
「君子豹変す」でいいのではないかと思います。