月別アーカイブ: 2011年11月

第86回社会保障審議会介護給付費分科会

 11月24日の社保審介護給付費分科会にて、改定に関するこれまでの論点のまとめが報告(案)として出されました。
介護保険施設の多床室の室料負担については明記されておりません。
 しかし、処遇改善につきましては「介護報酬内において対応することが望ましい」とされております。
 ゼロ改定とは言われておりますが、財源確保の難しさより処遇改善(介護報酬2%相当)及び地域区分の見直し(財政中立とする場合0.6%切り下げ)だけではマイナス改定となりかねません。
 又、老健については、老健本来の役割である在宅復帰・在宅支援・リハビリテーションの評価と共に、医療の提供・看取りについての評価がされます。
 各施設での方向性・方針を明確にしたうえで、地域での地位確立が競争に勝つためには必要です。

老健の短期集中リハ加算、要件見直し?

 厚生労働省は14日の社会保障審議会介護給付費分科会で、介護老人保健施設(老健)では短期集中リハビリテーション実施加算の見直しを新たに提案したほか、小規模多機能型居宅介護についてはサテライト型事業所の指定要件として一定の実績を求める案も示しました。
 特に老健の短期集中リハは現行の退所後3ヶ月以内に同法人に再入所した場合に算定できませんが、別法人の老健に再入所した場合も算定出来なくなりそうです。
 地域で老健としての役割を果たすためにも、今から他事業所との連携を深くしておかなければなりません。

第84回社会保障審議会介護給付費分科会 傍聴その①

 11月10日、介護給付費分科会を傍聴してきました。
 内容は介護老人福祉施設・特定施設入居者生活介護・介護老人保健施設・介護療養型・小規模多機能の基準・報酬についてと介護保険施設入所者に対する口腔・栄養関連サービスについて、福祉用具について、でした。
 まだ、各項目の論点についての意見が出されている状況でしたが、その中で興味深かったことは次の通りです。

① 特養・老健で多床室の居住費を現在の水光熱費相当のみでなく、個室同様減価償却費分も徴収してはどうか?
⇒これは低所得者の利用に配慮しながらユニット型個室の利用者負担の軽減を図る目的のようですが、果たして本当に低所得者のためなのか疑問の声が出席者からは多くでておりました。
② 特定施設入居者生活介護における空室の短期利用を認めてはどうか?
⇒有料老人ホーム等のサービス内容を慎重に精査する必要があるとの意見がございました。
③ 小規模多機能型居宅介護のサテライトの創設をしてはどうか?
⇒これは社会保障・税一体改革の議論においても2025年までに40万人分の小規模多機能型居宅介護を整備するとした推計が示されたことにもよるものです。
*その他事項にも高齢者の住まいや居宅での生活を支援するための論点が多数ございました。老健との競合が多くなる危機感がより一層感じる内容でした。

第84回社会保障審議会介護給付費分科会 傍聴その②

老健の論点です。

①在宅復帰・在宅療養支援機能の充実した施設の基本施設サービス費を新設し、その他の施設の基本サービス費ついては適正化してはどうか?現老健が二分化することとなり、在宅復帰機能が高い施設の要件として「在宅復帰率50%以上」「1月あたりベッド回転率が10%以上」が案として上がっております。

②在宅復帰支援機能加算の要件にベッドの回転率が高いことをいれてはどうか?

③入所前に自宅等を訪問し退所を念頭においたケアプランの策定や診療方針の決定を行った場合の加算評価?

④入所者が軽症の疾病(肺炎又は尿路感染症)を発症した場合の対応を加算で評価?

⑤施設で最後まで看取りを行った場合を高く評価?

*等々、様々な議論がなされている段階ではありますが、上記のように老健は在宅復帰・在宅療養支援機能の更なる充実が求められていると同時に、医療面での充実や看取りに対しての対応も求められていくことは間違いありません。その①では競合が多くなることも間違いありません。今後、各施設の方向性を明確にし、「売り」となるものを持たなければ生き残れない時期となります。
 今から準備をしておかなければ地域から必要とされる施設にはなれないでしょう。