高度急性期~慢性期の区分ごとの想定点数が示された一般病床における患者を上記想定点数に当てはめると衝撃的な結果に

 「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」において、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の線引きの基準となる想定点数(診療報酬)が示されました。入院料・リハビリ料・食事料を除いた日ごとの点数が、3,000点以上が高度急性期、600点以上3,000点未満が急性期、225点以上600点未満が回復期、225点未満が慢性期だとするものです。そして、医療区分1は在宅対象だとする意見も示されました。
 これからの議論でどうなるかわからないとはいうものの、具体的な数字が示されたことには注目しなければいけないと思います。
 当該基準はDPCデータのE・Fファイルを使ったものであり、各病院の患者が上記区分ごとにどのくらいの比率なのかは計算が可能です。
 弊社の所属するグループ病院のDPC病棟の患者で計算してみました。結果は衝撃的でした。具体的な内容は弊社主催のセミナーなどでお話ししていきたいと思います。

繰り返し利用がカギ!

 2月6日に介護報酬改定の詳細が公表されました。中でも通所リハビリの個別リハビリテーション実施加算の包括評価はマイナスのインパクトが大きいものとなっています。
 医療も介護も長期にわたるサービス提供は評価しないという方向性が見えます。
 一方、在宅復帰への取り組みは医療も介護も評価する方向性が明確になっています。
 そこでカギになるのが、在宅患者の繰り返し利用です。在宅で療養を続けていると、どうしても身体機能が低下する可能性が高まります。そこで、一定期間の入院・入所で集中的なリハビリテーション、薬剤管理指導、栄養管理指導などを行い、在宅生活が長く維持できるようにするのが狙いです。
 もともと在宅療養を続けてきた患者ですから、必要な入院・入所期間が終了すれば、在宅への受け入れは問題ありません。よって、受け入れた病院・施設にとっては確実に在宅復帰のカウントができることになります。また、退院・退所後通所リハビリテーションを再開すれば、再開後3ヵ月間は短期集中個別リハビリテーション実施加算が算定できることになります。
 このような利用を繰り返し行うことは、患者(利用者)、その家族、病院、施設のいずれにとってもメリットが大きい有意義な取り組みになると思っています。

ストレスチェックの受託開始

 今年12月から事業所における「ストレスチェック」の義務化がスタートします。事業所にとってはお金もかかる悩ましい問題です。
 弊社では「ストレスチェック」を含むメンタルヘルスケアに関わる業務を受託します。しかも、画期的な手法により他よりもかなり格安の料金設定で行います。
 近々に、専門のブログを立ち上げ担当者より順次案内をしていく予定ですので、どうぞお楽しみに。

適時調査等で誤った指摘の際は堂々と反論を

 適時調査や個別指導などで、しばしば誤った指摘を受けることがあります。返還など実害がなければまだしも、返還という実害を伴う場合は、しかりと反論しなければたいへんなことになってしまいます。事実、今までにも反論の結果、返還を免れたことが度々ありました。
 直接関わった事例ではありませんが、近畿厚生局管内のある病院から聞いた事例で、これは解釈が間違っているなと思いましたので紹介します。
 様式9号の勤務時間カウントで、「休憩・食事時間は勤務時間から除外する必要がない」となっています。しかし、当該厚生局の担当官は、日勤時間と夜勤時間を合わせて24時間を超えてしまうので、休憩時間は勤務時間でカウントできないと指摘しました。
 上記指摘の根拠となる文書は、どこを探しても見当たりません。根拠のない指摘で、返還を求められたのではたまったものではありません。
 そのためには、施設基準をしっかり理解し、誤った指摘かどうか判断できなければなりません。それから、指摘を鵜呑みにせず、その根拠を必ず確かめる必要があると思います。

AMG初の地域包括ケア病棟

 弊社では、地域包括ケア病棟は療養中心の病院こそ挑戦すべきという方針を打ち出しておりました。入院期間60日を超えた場合の逃げ場所があること。今まで急性期からの患者受入しかなかったのが、在宅等からの患者を受け入れることにより、患者受入の間口が広がる。という二つの理由からです。
 弊社の所属する上尾中央医科グループにおいて、1月1日付にて初めて地域包括ケア病棟を誕生させました。療養病床のみの病院の療養から、しかも介護療養病床からの転換です。これからの運営に注目です。成功事例として報告できることを大いに期待しているところです。

2014年診療報酬改定情報③

 特定除外患者の取り扱いについて、以下の通り記載されていました。

○重度の肢体不自由者、脊髄損傷等の重度障害者、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者および難病患者等の長期療養については、より環境の整った病床で行うことが適切であることから、
 ①療養病棟、有床診療所療養病床での15歳以上を超えて障害を受けた者の超重症者・準超重症者入院診療加算の算定を可能とする。
 ②経過措置を設けた上で障害者入院基本料等を算定する病棟以外の一般病棟に日数制限を設ける。
 ③障害者施設等入院基本料、特殊疾患病棟入院料、特殊疾患入院医療管理料については、これらの病床機能のあり方とともに継続的に議論することについてどのように考えるか。
○療養病棟における透析患者に対して、検査や投薬の費用を踏まえた評価のあり方を検討することについてどのように考えるか。

 入院90日超の特定除外患者のうち、障害者病棟等の対象患者や維持透析の入院患者を療養病棟で受入れるようにする誘導策と見てとれます。療養病棟を持つ病院にあっては、積極的にこのような患者を受け入れていくと診療報酬上有利になると思います。
 また、障害者病棟、特殊疾患病棟については、今回の改定では廃止しないが、次回以降の改定に向けて、廃止の方向で継続的に検討を進めるというように見て取れます。

院内適時調査のお勧め

 弊社の所属する上尾中央医科グループでは、毎年いくつかの病院で適時調査が実施されています。弊社では、グループ病院が施設基準を遵守しているか定期的なチェックを行っています。また、適時調査の際には、事前準備や当日の立会を行い、重大な施設基準違反を防止して参りました。
 いざ適時調査といったときに、あわてて準備したのでは施設基準違反を認知できず、高額返還を求められる危険性があります。そこで、定期的な院内適時調査をお勧めいたします。
 弊社の長年にわたり適時調査に関わってきたノウハウを活かし、経営サポートの一環として、院内適時調査を計画している病院がいくつかあります。
 今後、厚生局による適時調査が頻繁に実施されるとの報道がありました。事実、今年はかなりの病院で適時調査が実施されています。
 いざというときあわてないためにも、どうぞご用命のほどお願いいたします。

地域包括ケア病棟運用のキーポイント

 地域包括ケア病棟(病床)は、一般病床からの転換を模索している病院が多いのではないかと思います。転換を模索する病院の多くが、地域包括ケア病棟(病床)の適正な運用方法を求めていると思われます。
 無計画に転換すると、入院60日を超えて特別入院基本料等で算定しなければならない事態やベッド稼働の低迷の憂き目にあうことも考えられます。そこでいくつかキーポイントを挙げてみたいと思います。
 【適正運用のキーポイント】
 ①入院60日で退院できるような患者を中心に受け入れていくのか。
  例:在宅・施設からの急性増悪患者(退院先が予め定められている)
 ②①の状況が望めないのであれば、受入先が確保できるのか
  例:自院の療養病棟あるいは他院の療養病棟等との太いパイプ
 ③リハビリを必要とする患者(1日平均2単位以上提供)が専従のリハスタッフ1名で足りる程度で抑えられるか。
 ④患者単位で他の病棟に受け入れた場合の収入とのを比較し、損をしないような管理体制が構築できるか。
  ※弊社では④の比較が簡便にできるシステムを作成しています。

 弊社の所属する上尾中央医科グループでは、いくつかの病院が地域包括ケア病棟(病床)への転換を計画しています。今後、当該病棟(病床)の成功事例を紹介できればと思っております。お楽しみに。

障害者病棟・特殊疾患病棟はどうなるのか?

 障害者病棟・特殊疾患病棟は、身障1・2級程度の傷害者や難病認定患者を受け入れることを想定して設けられ基準だと思います。しかしながら、当該病棟に入院している患者の多くが寝たきり状態になった高齢者ばかりというのが現状であり、厚労省もそのへんのところは十分把握しているものと思います。
 脳血管疾患や認知症を起因として対象の状態になっているものの、他に主病がありその治療目的で入院している場合には、今のところ対象患者としてカウントできることになっています。この状況が続くとは思えません。前述の本来の障害者を7割以上受け入れている病棟は今後も残れる可能性があるとは思いますが、そうではない多くの病棟は残れないと思った方がいいでしょう。他の病床種別へ転換を急ぐべきです。

回復期・地域包括ケア・療養もなんちゃって病棟は危険

 今改定ではなんちゃって7対1が大打撃を受けた。今後の改定では、同様に他の病床種別でもなんちゃって病棟は打撃を受けることになるだろう。
 例えば、廃用症候群ばかりの回復期リハビリ病棟、平均在院日数対策で一般から転換したものの、在宅などから受け入れる仕組みづくりしていない地域包括ケア病棟、医療依存度の低い患者ばかりを受入れ医療区分評価をごまかしている療養病棟などなど、それぞれの病床機能に求められる機能を有していない病棟は大打撃を受けるだろう。
 もうひとつ、障害者病棟・特殊疾患病棟はなんちゃって病棟の最たるものと言える。詳細は次のブログで触れたいと思います。
 いずれにしても、それぞれの病床種別に求められる機能整備に取り掛かるべきだと思います。

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